DIYでエレキベースを作りたいなーと思ったので、設計に必要っぽい部分の寸法を調べて書いてみる。
エレキベースのスケール長
ショート:762mm
ミディアム:810mm
ロング:864mm
→一般的なジャズベースやプレジションベースに採用されているスケール。基準として考えていい。
スーパーロング:889mm or 914mm
備考1:スケールが違うと弾く力と音色が変わる
同じ太さの弦を張った場合、スケールが短くなるほどテンションが緩くなるので、弾く時の感触と音質が変わるということに注意。(例えば、通常は4弦開放弦はEでチューニングしますが、2フレット目や3フレット目でEが出るようにチューニングすると、弦の張りはかなり緩くなりますね。短いスケールで同じチューニングをするというのはこれと同じことです。)
テンションが緩い→力が弱くても弾ける反面、弦が暴れやすい。普段ロングスケールなどを弾いている人が持ち替えて弾く場合はタッチに気を付ける。
※スケールの違う弦は違うサイズのベースには張れません。ベースの弦はペグに巻き付ける部分が細くなるよう設計されていますので、ロングスケール用の弦をショートスケールのベースに張ろうとしても、ペグ(糸巻き)にはまりません。
備考2:専用弦でないとセットできないベースもある
ヘフナーやワーウィックなどにありますが、楽器によっては専用の弦でないとセットできないようなものもあります。
ヘフナーのバイオリンベースの弦交換を頼まれたときにびっくりしましたが、スケールもそうですがナットに切られている溝が細くて通常のベース弦だとナットの溝に入らないんですよね。ダダリオのナイロン弦を張ろうとしたからかもしれませんが。
一般的なモデルでない場合は、弦を買う前に楽器屋さんに聞いてみたほうがいいかも。
エレキベースのネック幅:ジャズべースとプレジションベースの場合
よくあるタイプだとネックがねじでボディに固定されていて、このタイプはボディとネックを分離できます。
ネックの厚み、幅はボディにはめ込むところから先端のナット側に向けて徐々に細くなります。
ネックをはめ込む部分については「ネックポケット」や、接合という意味で「ジョイント」という言われ方をしています。
ネックの一番細くなるところはナットがついているところですが、この部分の幅は弦の本数や機種によってばらつきがあります。
また、先のスケールの話をすると、スケール長はこのナットの中心部とブリッジのサドル間の長さをスケール長に合わせて設計してます。
厚みも機種によりけり。とりあえずデジマートに出てるフェンダーメキシコ(ジャズベース)だとナット部分で20.82mm、12フレットの部分で23.36mmだそうです。
設計の際に気を付けたいこと
ネックについては木材強度がモロに出る部分なので、使う木材の曲げ強度などを調べたりしたうえで設計する必要があるかと思います。弱いと曲がるので。
以前ざっと計算した感じでは、ヒノキでネックを作ろうとした場合はメイプル製のものよりも10~12%くらい厚みを増やさないとヤバいかなーみたいな結果でした。
もしヒノキでベースのネックを作るなら、ナット側で23mm、12フレット26mmとなるわけで…うーん、結構な厚みになりそうですね…。
ネック幅:
ナット側(最も細くなる部分)
ジャズベース:38mm
プレジションベース:42mm(45mm)
ヒール側(最も太い部分):63-64mm程度=ネックポケットの幅と同一
ネック厚:
ナット部分20.82mm、12フレット部分23.36mm。
ネック長さ(ヘッド部分除く):
今ジャンクで買ったジャズベースを測定したら、ナットの中心からネックエンドまでで595mmでした。
ネックも設計するとなった場合は、ネックの長さはトラスロッドを自作しない限りは売ってるトラスロッドのサイズに依存するので、そっちのサイズを確認してから絵をかくことになりますわね多分。
すぐ通販できるトラスロッドの規格
ギターワークス:585mm、587mm
アマゾン:いろいろあるけど長いもので610mmのものが売っています。
各部寸法は製造元、例えばフェンダーでもUSA、メキシコ、ジャパン、とその辺で採用企画も違ったりすると思うので、あんまり気にしすぎないでいいかな。曲がったり壊れたりしなければいいんだよ。
あとは…弦間ピッチかな。一般的なエレキベースの弦ピッチは19mmだそうです。
ブリッジのサイズ、弦間ピッチ、ナット幅、スケール、この辺がはっきりしてくれば、あとは外形を考えたら作れそうな気がしますね。(ピックアップやヘッド等まだまだ考えなきゃいけないことはありますが)
今作りたいのが少々特殊な仕様で考えているので、これらを踏まえて考えたいと思います。